戦前から続く手捺染工場

戦前から続く手捺染工場がある。

創業時は和装が主流であり、染料の手捺染を行っていた。

渋紙を手彫りで彫った形紙で染料を染め付けていたそう。

戦後は、あらゆるものをドラスティックに変化させたが、

こちらの工場はピース加工や植毛フロッキー加工などを手がけ、

クッション、ペナントなどのスーベニア商品を扱った。

アメリカ向け輸出が本格化したのは昭和28年(1953年)末期だったが、

これらの商品も多く海を渡った。

 

当時桐生で製作されたクッションカバーを見ると、

黒の別珍生地に、細かい絵柄は横振り刺繍で表現し、

上部の雲や陰影部分を表現しているのがピース加工である。

ピース加工とは、簡単にいうとエアブラシのこと。

フリーハンドで描くこともあるし、形紙で養生して吹きつけることもある。

なんといってもひとつひとつ見え方が異なる点が魅力的であり、

ぼかしたり微妙な濃淡が良いアジを醸し出している。

古着業界でカラーフロッキーといわれる手法は

この技術を用いて再現される。