横振り刺繍を縫う前には、「型付け」という作業があります。
分かりやすく説明すると、刺繍の下絵をプリントするわけですね。
その「型付け」を行う際には、型紙が必要になります。
その貴重な型紙が多数残っている現場に足を踏み入れてきました。
1946~1950(昭和21~25年)くらいのものと思われます。
感動して写真を撮るのを忘れてしまうくらい見入ってしまいましたが、
かろうじて何枚か撮影しました。
持ち主の方から許可を得ましたので、
掲載してみますね。(そんなわけで分かりづらいですが・・・)
終戦後すぐに駐留した有名な第5空軍の型紙、
同様に札幌に駐留した第7歩兵師団の型紙、
1945年に沖縄で戦死した従軍記者アーニー・パイルの文字もありました。
随所にスペル違いが見受けられますね。
シンガーの横振りミシンの当時のパンフレットや
子供のスカシャツ用のポケットパターン(当時の新聞使用!)も。
2~3年前のスカジャンブームで、若者にも浸透したスカジャン。
でも、そのルーツはほとんど知られていません。
占領期(1945~1952年)に誕生したこと、
その技術のルーツは着物にあったこと、
最初期は一貫して桐生で作られていたこと。
今回その証拠とも言える、
スカジャン誕生以前の帯地への横振り刺繍も発見されました。
赤い生地はスカジャンと同じ当時のレーヨンサテンと思われますので、
今後の確認作業および調査結果をお待ちください。
*タイトルの「形紙」は、当時の名刺に記載されていた漢字を使用しました。