デッドストックスカジャン11着

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情報提供をいただいて、

1935年生まれのIさん宅にお邪魔しました。

その情報とは、

「うちにスカジャンがあるよ」とのこと。

1946年~1950年に母上と姉上が

浜松町でスカジャンを縫製していたというのです。

刺繍屋のナガシマさん(浜松町)やヨコタさん(巴町)から

依頼があり、パーツを組み立てて仕立てていたそうです。

それらは、横浜の桜木町のサンプラザという

米兵オンリーのお土産屋で販売されており、

当時大学生のI氏ご本人も訪れたことがあるそう。

冒頭の画像は、そのI氏宅の茶箱に保管されていた

貴重なデッドストックのスカジャン11着のうちの1着。

なんといっても程度が良すぎる!

生地、リブ、刺繍、どれをとっても極上品です。

発色もよく、生地の色褪せはなく、

刺繍の糸色もこんな鮮やかなものはめったに

お目にかかれません。

横振り刺繍を縫われた方は、当時15歳くらいの女性で、

I氏のひとつ年下の方だそうですが、

当時でも彼女の右に出るものはいなかったというほどの

腕前だったそうです。

その言葉に嘘偽りはない、と断言できる出来栄えです。

戦争で父上を亡くされたなかで、

母上と姉上が生きるために必死で

縫い上げたスカジャン。

「そのおかげで東京の大学に行かせてもらえたんだ」

とお話くださったI氏の表情は、

穏やかで誇りに満ち溢れていました。

この出会いに関わったすべての方に感謝したい、

そういう気持ちでいっぱいです。

私は、とにかくこの文化遺産を遺したいと思っています。

ここまで保存状態の良いスカジャン、

また、それにまつわる様々な物語を

次世代に繋いでいきたいと強く思いました。

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